キジ猫の名前
遠い昔のことだけど
キジ猫が、家にいた。
兄弟で何匹かいたのだけれど
そのキジ猫の男の子が
特別に可愛かった。
その子は、いつも私の部屋に来た。
いつも私のベッドにいた。
ある日、突然 引っ越すことになり
その猫たち親兄弟みな
どこかのお家にもらわれていくことが
私の知らないところで決まっていた。
その突然の別れに抵抗したのだけど
あまりの悲しみに何もすることが出来ず
消化できないままに年月だけがたった。
写真が、一枚だけ手元にある。
真っ白い布団の上で私を見ている
とてもかわいらしい
その子の名前がどうしても思い出せない
あんなにかわいがっていたのに。
いつ忘れたのかも分からない
昔から何度も何度も思い出そうとするが
思い出せそうにもない
今でも喉の奥がしめつけられる。